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公開日時
2025/08/04 23:08
カテゴリ
ロッククライミング

剱夏合宿 源治郎尾根班

場所
北アルプス 剱岳
日程
2025年7月19日 〜 2025年7月21日
メンバー
西本会長、西本Y、武田、金田
  • 源次郎班:西本会長、陽子さん、武田さん、金田
  • 八ツ峰班:杉田リーダー、塚本さん、森さん、石野さん
  • 一般道班:上田Aさん、荻原さん、後藤さん
  • 2日目合流班:上田Mさん、寺本さん

1日目

メンバーが早くから並んでくれた甲斐あり7:20の便で上がれる事に。 室堂着が8時過ぎ、快晴の下剱沢キャンプ場を目指す。 皆で分け合った食材2.1kgと共同装備がずっしり肩に圧し掛かる…。 この装備で剱沢を登るのか…メンバーの中で最弱の私は不安に駆られながらの出発。 雷鳥沢までは下り主体なので何とかなるも、そこからの登り返しがキツい! 案の定、皆に遅れながら自分のペースを崩さぬよう登る。 昼頃、やっとの事で剱御前小舎到着。 そういえばGWのBCツアーで小舎まで到達できずあの場所からドロップしたなぁと回想する。 剱御前山のピークを取りしばし休憩の後に剱沢のテン場を目指す。 目の前にラスボス剱岳が圧倒的な存在感で鎮座しており、そのプレッシャーに圧し潰されそうな感覚に陥る。 テン場到着、テントを設営しまずは宴会開始! 剱御前小舎で買ったコーラを雪渓で冷やしキンキンに冷えたコーラで皆と乾杯。 初日の晩御飯は田路さん直伝のシーチキン鍋、自分が運び上げたポン酢をかけて食べたら絶品! シーチキン鍋をたらふく食べ、PM6時頃明日に備えて早めの就寝。 暑さと興奮と緊張が入り交じり全く寝れない。 その時、外から熊出没の声が。 涼みがてらテントの外に出て熊を眺める。 あー、熊が雪渓歩いてるなぁ…。 身体をクールダウンしリラックスしなければ明日に堪える…自分に言い聞かせながらテントに戻りいつの間にか寝落ち…。

2日目

3時前に起床し出発に向けて準備を進める。 朝ごはんは小さいパンを2つほど…緊張でパンが喉を通らない…。 皆より1日早く到着していた武田さんが予定していたルートの状態が良くないとのことで急遽源次郎班に参戦。 非常に頼もしい!! 準備が完了し5人で雪渓を下る。 途中、後藤さんが体調が良くないとのことでリタイヤ、後藤さんと一緒に歩きたかっただけに非常に残念だが体調が良くないのであれば仕方がない、気を取り直して4人で取り付きを目指す。 取り付きに到着、いよいよ本番だ。 草付きの急斜面を登って行くとまずは第一関門のハングした岩場、お助けロープを出してもらいここは難なくクリア。 更に進むと第二関門の切れ落ちた岩場、ここはクライミングの経験がないとフリーで登るのは難しい感じ。 私のスキルでは難しいと判断し、武田さん先行でロープを出してもらう。 陽子さんと2人繋いでしまったため途中で身動きが取れなくなりあたふた。 陽子さんを無事切り離したのち上から引っ張り上げてもらう。 少し危なかった…。 気を取り直して先に進む。 相変わらず斜度がきつくどこまで行っても落石の危険が…。 前を歩いている人が結構な頻度で落石を落とす。 武田さんが「こんなにラクー!!って叫んだのは初めてだ!」と少し呆れ模様。 ようやく樹林帯を抜けたあたりで、立ち止まって電話をかけていたパーティが。 聞けば直径20cmくらいの落石を肩に受け、吹き飛ばされて20mほど滑落したとのことで痛みで動けない様子。 同行者いわく20mほどの滑落で止まったから良かったものの、さらに落ちていたら命が危なかったとのこと。 とりあず命が助かって良かった。 そこからは落石の恐怖に怯えながら進む。 自分が被害者になるのも加害者になるのも嫌なので慎重に足を運ぶ。 このあたりから両足が攣り始め思ったように動けなくなる。 エスケープできないので休憩を挟みながら騙し騙しⅠ峰を目指す。 足の攣りが一向に収まらない様子をみて陽子さんと武田さんが少し荷物を持ってくれる事に。 ほんと感謝しかありません!! Ⅰ峰までがとにかく長い!!疲れも溜まっており足が思うように動かないので余計に長く感じた。 無事Ⅰ峰を通過しⅡ峰への上り返し。 これを越えるといよいよ本日のメインイベントⅡ峰懸垂下降。 このために事前に練習をしてきたがやはり緊張する。 Ⅱ峰到着。案の定懸垂待ちの渋滞。 足が疲れていたので休憩にちょうどいい。 ここで昼食を済まし順番を待つ。 改めて回りを見渡すと息を呑むほどの絶景が広がる。 八ツ峰組がCフェースに張り付いているのが見えたので手を振る。 気づいてくれたかなぁ。 待てども待てども列が動かない。 1つ前のご夫婦が状況を教えてくれた。 15人ほどの待ちがありあと一時間以上はかかるのではないかと…。 懸垂下降の順番待ち、これは自分の中でジェットコースターの順番待ちや歯医者さんの順番待ちと同じくらい緊張する。 待っている間、常に緊張しっぱなしなので精神的にやられる…。 結果、まさかの2時間半待ちでやっと自分たちの番が!! 練習の成果を見せなければ!と緊張しながらセットアップする。 30mの高さで足がすくみぎこちないスタートだったが途中からはスムーズに降りれたので自分的には及第点。 あとは山頂までのビクトリーロード、そこそこの斜度があるガレ場を抜け夢にまでみた山頂に!! 獲ったどーーーー!!!!嬉しさのあまりガッツポーズ! あれほど疲れていた身体が嘘のように軽く歳甲斐なくはしゃぐ。 しばし山頂を満喫した後、雲行き怪しくなりガスが出だしたので雨が降る前に下山を開始する。 下山は楽勝だと思っていたが、さすが剱岳、これが一般道か!?というくらい気を抜けない道が続く。 おまけに下山なのに前剱の上り…。看板には下山↑と書いてあり武田さんと「下山とは?」と笑いながら歩く。 一服剱を越えたあたりでやっと一般道の安心感。 会長、陽子さんにかなり遅れを取ったが終始武田さんが後ろに着いてくれていたので安心した歩けた。 感謝感謝。 テン場に戻る前に剱沢小屋でご褒美コーラを購入、疲れた身体にしみる美味さ!! 山コーラは最高のご褒美だと痛感する。 記念に剱岳のバッジを購入しテン場に向かう。 もうヘロヘロで足が上がらないので武田さんに置いて行かれながらゆっくりテン場をめざず。 パトロール前に到着。何と先に行ってたはずの武田さんが「最後は一緒に!」と待っていてくれた。 感動!! 2人でテントまで歩いていると仲間がこっちを見て手を振ってくれている。 やっと帰ってきた!! 仲間の温かい出迎えがあり涙が出そうになった。 頑張った甲斐があった。 自分で行ったというより連れて行ってもらった感バリバリだが、皆にサポートしてもらい何とか完歩できた事は今後の自信に繋がる。 やっとゆっくりできる。 八ツ峰組が帰って来るまでクールダウンと食事を済ませる。 緊張の連続だったのでやっと気が抜けて皆との時間を心から楽しめた。 PM8時、八ツ峰組が無事帰って来た。 自分的には手を振って出迎えてもらったのがすごく嬉しかったので、同じように八ツ峰組を出向かえた。 みんなお疲れ様でした!!

3日目

夜は興奮と疲れであまり寝れなかった…。 谷に吸い込まれるような夢を見た記憶がある。 それほど自分にとって非日常的な経験だったのだろう。 朝、少し早めに目覚めまったりと朝食を摂る。 予定では雷鳥沢を経由して室堂に戻るはずが立山3山を縦走するぞ!という話が…。 初日よりは軽いにせよ疲れた足にテン泊装備で縦走なんて…と思っていたところ「雷鳥沢を下って室堂までの地獄の階段を上るより3山縦走のが楽だよ」という悪魔の囁きにまんまと騙され…。 テント撤収後に剱御前小舎まで登り返し。 テン泊装備が肩にずっしり重く足取りが重い…。 少し先で皆が立ち止まり写真を撮っている。 今回の山行で初お目見えの雷鳥のファミリーだ。 雛を5匹ほど連れて歩く愛らしい姿に少し元気をもらう。 実は昨年立山に来た際に少し事情があり別山と別山北峰は回れなかった。 別山北峰から見る剱岳が最高にカッコいいという話を友人から聞いていたので是非見てみたいと思っていた。 別山に着いて荷物をデポして北峰を目指す。 さすがに荷物がなければ足取りが軽い。 北峰先端の岩場から剱岳を眺める。 その圧倒的な力強い姿に昨日あれに登ったのだと感慨深いものが込み上げてきた。 少しはしゃぎ過ぎたのか息があがる。 少し頭痛もあり気分も冴えない…。 水分と多少の行動食を食べ様子を伺うが調子が戻らない…。 目の前に富士ノ折立の急登が見えた。 正直あれを上り切る自信がなかった…。 その様子を察知してかスギちゃんが共同装備であるテントを持ってくれることに。 頼れるリーダー!!申し訳ないがお言葉に甘える。 少し楽になった。 無理をせず皆に遅れながらマイペースで登る。 ここでえっちゃんも高山病のせいか息が上がり足取りが重くなっていた。 皆でえっちゃんの荷物を分担し前に進む。 頼れる仲間たちだ!! 雄山・大汝山・富士ノ折立のピークは前回来た時に獲っていたのでスルーし体力温存。 皆は元気に上りに行っていた。さすがだ。 PM2時、ヘロヘロになりながらも何とか室堂まで戻って来て全行程終了。 幸いバスの待ちも少なくスムーズに下山完了。 帰りに温泉に向かい3日間の汗を流す。 温泉で食べたスタミナ焼き定食が身体に染み渡った。

総距離19.7km、獲得標高2552m、今回の山行は無事終了した。 仲間のサポートに感謝感謝の3日間でした。 ほんとに楽しかった!!!ありがとー!!!!