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公開日時
2025/03/24 19:49
カテゴリ
積雪期登山

鹿島槍ヶ岳 赤岩尾根

場所
北アルプス 鹿島槍ヶ岳
日程
2025年3月21日 〜 2025年3月22日
メンバー
塚本、森、小西

小西さんの報告

出発前、塚本さんに荷物チェックしてもらい不要なものを車に置いたが、それでも森さん塚本さんの荷物とは重さが大きく違った。

食料や行動食を余分すぎるぐらい持ってしまい、それが肩に食い込む。

6時出発

田路さんに見送られ、延々と続く林道を進む。

山頂での風速20m/s程度。暴風下でのテンパクは怖いため、前倒しして冷池山荘で泊まる計画に変更する。

杉ちゃんから借りたワカンで堰堤まで進む。

事前の地図読みでは、堰堤前で左に切り返し、尾根を上がっていくことを確認した。一方林道では先行者のbcスキーの跡があったことからそれを信じて進んでしまい、これが裏目に。

結局道迷いしてしまい30分ほどロス。

先行者は曲がるポイントや距離感を掴むことが大事と反省した。

尾根では、何日か前に積もった雪が固まらずに残っており、ピッケルや足が上手く刺さらず苦労した。

森さんによると12月の大山のような雪質だったらしい。

3月の終わりというのもあって、ところどころクレバス状の大きな割れ目(奥行1m深さ3m程度)があり、思うように進めることができなかったが

森さんと励まし交代しあい、一歩一歩進めることができた。やはりソロでは限界を感じる。

結局、当初予定の高千穂平に変更、それでも進まず今日中の撤退も頭によぎる。

リーダーとなった塚本さんに相談するも途中でテン泊してでもそのまま決行することに。

15時ごろ、高千穂平手前の平地かつ木に囲まれた平地を発見、偶然にもテン場から鹿島槍が見えた。

雪を均し、ペグがなかったので、木にロープをくくりつけ、木の枝でペグの代わりにし、雪で4辺を埋めた。

テント内では塚本さんがもつ鍋を振る舞ってくれた。今回も格別な食事となる。

翌朝5時起床、6時モルゲン鑑賞、食事、お湯を作っていく、

テントが飛ぶのが怖いのでテントをたたみ、凹みを作り底に荷物を固める。結局出発は8時に。

塚本さんと相談して、森さんと小西は稜線を目指すものの11時に撤退判断とした。

最初は12時に撤退判断としていたが、結局11時にしてよかった。

2日目は初日よりも若干雪が締まり歩きやすく、順調に歩を進めていく。順調すぎてほぼリードしてしまう。

11時稜線とうちゃこ。立山、剱なども見えた。左に爺が岳、右に鹿島槍

背中に頚城山塊と絶景であった。思わず小躍りしてはしゃいでしまう。

53歳おっさんの小躍りは滑稽だが、嬉しいものは嬉しい。

程なくして森さんがとうちゃこし、2人で握手。本当は抱き合いたかったがホモ認定を恐れ遠慮してしまう。ひとしきり写真を一通り撮ってそそくさと戻る。

下りで塚本さんと合流しテン場で荷物をピックアップ。

塚本さんは少し足がもたついていたため、後ろからフォローしたが、林道になったので、自分はパッキングに時間かかるので、先を行かせてもらった。

17時に下山。駐車場では田路さんが待ってくれていた。山男の優しさに触れる。 本当にありがたい。

田路さんは状況を確認し塚本さんの荷物を取りに行ってくれた。

そのおかげで、塚本さんは18時に到着。あれが無いとあと30分遅れていたそう。

今から思えば塚本さんの荷物を持てばよかったと猛省した。

今回の色々の反省を踏まえ、次へのチャレンジに活かしたい。

北アルプスの山々をバックに森さん

塚本さんの報告

コニタンが報告をくれましたが、塚本の反省も含め振り返らせていただきます。

当初、杉田Lを発起人で、田路さん、後藤さん、森ちゃん、コニタン、塚本の6人山行の予定で始まった鹿島槍ヶ岳。急遽リーダーのスギちゃんが胃腸炎で不参加。どうなる山行!?となった中、天気も良いし、ぜひ催行させたいと塚本が名乗り上げ代理リーダーに。

そして出発当日に後藤さんが急遽キャンセルとなり、4人の山行予定で出発することになる。

予定では高千穂平でテント泊、田路さんがテントキーパーをするというから、私もテントキーパーの可能性大!と思っていたのだが、当日、田路さんが膝の痛みがひどく山行を断念。退路を断たれた山行の始まり。行けることなら冷池の小屋までに、という目標に山行スタート。

歩きだしてすぐに、私も途中敗退かもしれない、と思う。森ちゃん、コニタンのペースが最初から早すぎて。雪質はモナカ雪、途中でワカンを履く。早い二人の後ろにつき、歩みが遅くてよかったと思うことが一つ。先頭を突き進む、コニタン、曲がるところをスキーの足跡に惑わされ間違う。遠方からの伝達にヤマップ見たら、大いに間違っとる!よかった、急いで追いつこうとしなくて。とは言っても、すぐに後ろから追いつかれるのだが。

平坦なアプローチの次は尾根へのトラバース。途中ワカンからアイゼンに履き替える。尾根に上がると、なかなかのラッセルが必要な雪と傾斜。コニタンと森ちゃんが頑張ってラッセルで登っていく。塚本はちょっと遅れながら、二人についていく。目標としてはいつでも一人下山できるよう、体力を使わないこと。そうはいっても、足長二人の足跡を辿ることはかなり困難だなと思った。

尾根歩きの途中で、コニタンが思いのほか進んでいないことに落胆していた。これだけ頑張って上がってきたのに全然進んでいない、高千穂平までもたどり着けないかもと。コニタンには鍋と食材という一番重たい荷物を持ってもらっていた。杉田鍋リーダーがいなくなったけど、テント泊で鍋したいなという思いで、人数減っても遂行した私の咎もあり、ちょっと責任感。下山するか進むかの決定を14時とした。

しばらく目的地を目指し黙々とラッセル。14時の時点で尾根から高低差450m登っていて、高千穂平まで250mという地点にたどり着く。消耗している中で250m登るのはきついなという話になり、高千穂平手前ちょうどいい場所にテントを張ることにした。15時。宿泊地を決めるベストタイム。軽く整地して、今晩の宿を構える。念願の山中鍋ができ、8時ころ就寝。

翌日5時起床。この日も良い天気。いい感じに日が昇っているからみんなで写真撮りに外に出る。期待していた鹿島槍ヶ岳のモルゲンロートは残念ながら見れなかったが、青空に真っ白な鹿島槍が映えた。山で過ごせる時間はそれだけで素晴らしい。

朝をのんびり過ごしすぎて出発時間が8時となった。それからテントをたたんで不要な荷物をデポして出発。コニタン、森ちゃん組は11時が引き返しタイムで稜線に向け出発。二人の足は早くてすぐに遠くに姿が見えるようになる。雪稜を登っている姿がかっこいいなと思い、私も行けるところまで行ってみようと2278mの地点まで。ここを私の山頂としようとごはんを食べて休息。

余力を残していたつもりだったのに、帰りに油断した。足跡を辿らずにまっさらな雪面をサクサクと気持ちよく歩いていたら、ハイマツの落とし穴に足を踏み入れる。膝を痛めている右足が手前の雪にしっかりと刺さり、その他がそれより下のハイマツの穴ぼこにぶら下がっている状態、体とザックは下方にあるのでなかなか這い上がれないし、刺さった足の膝がめちゃ痛い。雪を掻いても抜けないので、ひとまずザックを体からはがして起き上がろうと、もがいているところで、下山してきたコニタンが現れ、埋まっている足を掘り出し、救ってもらう。早い下山だなと感心しながら感謝。そこからみなで下山。さっきの反省をいかしながら、慎重に降りる。下山は思いのほか難しく、足も弱っていることからするする滑って滑落停止の練習が何度もできる。登りより疲れた。

急斜面の尾根歩きが終わったころにはヘトヘトだった。行きはそれほど長いと感じていなかった平坦なアプローチがすごく長く感じた。もう電池切れ寸前でゆっくりとしか歩けず、みなさんを長く待たせてしまっているなぁと思いながらも永遠にたどり着かないような気持で歩いていたので、夏道登山口の入り口付近で見慣れた青いジャケットが見えた時はほっとした。颯爽と登ってきた田路さんが私のザックを背負ってくれ、また新潟の坪田さんも迎えに来てくれた。ちゃんと帰れるんだなぁと思った。

終わってみて色々と反省してみたけれど、まず、トレーニング不足がやっぱりあかん、と思った。膝を痛めていたので山らしい山にいってないこともあり、体力がかなり衰えていた。歩荷したのも12月のことで重い荷物を持つ山行を全然していなかった。リーダー志願したのに情けない。それと色々下調べ不足。ほぼクックパッドしか調べてなかった(笑)

あと、体格の違う人との山行はより強靭な体力が必要かなと思った。必要以上に大股で、かつ重い荷物を背負うとちびっこは片足に全身をのせてしまうので、どう考えても一番重量少ないのに、最後尾でも足がぐいんと沈み、疲れる。足跡にそって歩いた方が楽なのかラッセルする方が楽なのか悩んだほど。その意味ではやはり、スキーは歩幅を考えなくてよくていいなぁと思った。

何はともあれ、スキーでは行けないであろう素晴らしい景色を拝むことができた。全然役には立てなかったけれど、そこまで連れて行ってくれたコニタン、森ちゃん。そして陰ながらヘルプしてくれた田路さんに感謝!これからも素晴らしい山行ができるよう、日々精進したいと思います!