- 公開日時
- 2025/01/26 21:53
- カテゴリ
- 積雪期登山
扇ノ山 ビバーク訓練
- 場所
- 鳥取県 扇ノ山
- 日程
- 2025年1月25日 〜 2025年1月26日
- メンバー
- 田路会長、後藤、杉田、森、小西
森さんの報告
1月25日から26日にかけて、雪洞訓練のために扇ノ山に行ってきました。
前月に大山8号尾根に行った時にビバークを余儀なくされる事態になりかけたこともあり、田路さんと後藤さんに講師をお願いしてスギちゃんが企画してくれました。
田路さん、後藤さん、スギちゃんはスキー、私はワカン、小西さんは期待どおりツボ足。雪の質がワカンに合っていたのか、ワカンとツボ足では足の沈み具合が半分程度ちがいました。体力の強さにいつも驚かされていたさすがの小西さんもツボ足ではしんどそうだったので、少し安心しました。一方スギちゃんは、たくさんの食材やお酒を持ってくれたにもかかわらず、足取り軽く、歩き組を励ましながら、頼もしかったです。そんなこんなで午後3時頃に上山高原の避難小屋に着き、田路さんと後藤さんの指導のもと雪洞作りに着手。隣で雪洞を掘る後藤さんの見よう見まねで私も雪を掘り進めましたが、いまいち完成図が想像できていない私は時間だけが過ぎていき暗くなり始め、最後はスギちゃんと小西に手伝ってもらってというか、代わりに掘ってもらって何とか今夜の寝床を確保。完成図を把握できたので、次回はもう少し要領よく作れると思います(;^ω^)
そして避難小屋に移動してビールで乾杯。一口目のビールが疲れた身体に沁みた。そして田路さんが準備してくださった、こんにゃく芋から作ったこんにゃくとシーチキン鍋。旨かった。箸が止まらなかったです。岳友の成り立ちや小西さんが意外と愛妻家だという話で盛り上がり楽しい時間を過ごし、9時前に雪洞に各自戻り就寝。スギちゃんと小西さんはビバークを想定してシュラフカバーで寝たようですが、私は迷うことなく冬用シュラフにくるまり、雪の中でもほとんど寒さを感じることなく寝ることができました。意外と暖かったことに驚きました。
翌朝目が覚めて雪洞の外に出たらかなりの降雪。避難小屋で各自朝めしを食べてから、やや視界が悪いなか下山。下りもスギちゃんが歩き組のペースを常に気にしてくれて、優しかった。先週の大山での雪山訓練に続き、今週は雪洞訓練。2週連続で楽しくワイワイいいながらも色々学ぶことができ、雪山に対して少し自信もつきました。
杉田さんの報告
森さんが山行報告してくれているので詳細は省いてビヴァークの感想だけ報告します。
先日の八合尾根でのビヴァークを想定し日帰り装備、寝袋なしで一晩過ごしました。
武田さんに「雪山には日帰りでも常にシュラフカバーをいつも持って行っている」と教えてもらっていたので行動服にダウンジャケット、ダウンパンツを着込みスキー靴のインナーブーツを履きシュラフカバーに潜り込み一夜を明かす。
急なビヴァークを想定しているのでマットはザックの背面マットを敷く。 後藤さんに「雪洞の中は2°C~-2°Cくらい」と教わっていたのでまあ快適に寝れるだろうと21時に就寝。
ウトウトとしたころ寒くて目が覚める。地面からの冷気だ、マットが薄すぎる。シュラフカバーの中は温かいのだが地面が寒い。体の向きを変えてみたり湯を沸かして飲んでみたり、火を焚いてみたり色々するが全く寝付けない。小屋に逃げ込もうかと何度も思うが我慢する。
夜中1時ごろ、堪り兼ねて小屋にあった薄い養生マットを持ってきてそれを雪洞の中に敷き少し寝る。 しかし1時間ほどでまた目が覚め寒さとの格闘、あとは辛抱の時間。朝6時までどうにか過ごす。
今回の訓練で結局1時間ほどしか寝れませんでしたが、雪洞での過ごし方、マットの重要性、そして何より「雪洞を掘れば薄い背面マットでも日帰り装備で生き延びれる」ということを体感で学べました。
2週にわたり雪山訓練をしてくださった田路会長、後藤さん、ありがとうございました。 いままで実際にビヴァークはしたことないけれど、この訓練のおかげで「ええやんか、ビヴァークしたら」とビヴァークを身近に思えるようになりました。予定通り行動できなかった時にこの気持ちの余裕は大きいと思います。
写真は翌朝、ザックの中でぐしゃぐしゃになったカップラーメンを食べる小西さん。
小西さんの報告
森さん、杉ちゃんから報告がありましたが、個人的に大きな反省の意味を含めて投稿させてもらいます。
長いし、大概は経験豊かなみなさまにとっていらん情報なのでスルーして下さって結構です。
登り
事前に、スノーシューを会長からいただいたものの、バンドが経年劣化でバキバキになってたため、ゴムバンドで応急補修したものの、耐久性に不安というのと、会長、後藤さん杉ちゃんの3人がスキーのため遅れないようにと手持ちのショートスキー(登りはツボアシ)で行くことにしました。ショートスキーはで行けるかどうかわからなかったけれども、携帯性があるためチャレンジしてみました。が結果的には、新雪では全く使い物にならず、たまたま森さんが緊急参加してくれたので、森さんのワカンの跡を使わせてもらいました。それでも20キロ位の荷物を持って上がるのはとても大変で、全身汗だくになってしまいました。雪山は汗をかいてはいけないようですね。
ベースレイヤー
ベースレイヤーの選択にも失敗しました。冬だからヒートテックが良いと思いましたが、汗冷えがひどく雪洞の中では体が冷えて、なかなか寝付けませんでした。網シャツ着てくればよかったと反省。杉ちゃんからファイントラックを勧められた。
雪洞作り
後藤さんから指導を受け
- 天井は凹凸を作らないこと(溶けた水が体に当たって冷える🥶)
- 開口部はできるだけ小さく(冷え防止)
- 開口部はツェルトで内側に巻き込む
- 小物置き場所を作る(電気消したら真っ暗)
- 天井高く(座位で作業できるように)
自分は30分程度で立派な雪洞ができ大満足でした。
夜食事
特に避難小屋で会長が振舞ってくれた刺身こんにゃくが絶品で何度もおかわり、シーチキン鍋も美味しかったー。やはり皆で囲う食事は旨い。 杉ちゃんと小西がどっちが変かという議論があり、小西が変で杉ちゃんは変態という結論に。
雪洞での初めての宿泊
初の雪洞泊で保険のためシェラフ持参していましたが、日帰り登山のビバーク想定だったため、普段の荷物を想定して宿泊を試みました。
上はヒートテックフリースダウン2枚重ねにハードシェル、下はズボンにカッパ下、アルミシートを巻き、最後に空にしたザックを履き、シェラフカバーで全体を覆いました。マットはエアを使いましたが、最初は空気を8割程度にしていたところ、腰回りから雪が直接体にあたり、冷たさが伝わって寝れない。思案した挙句空気をパンパンに入れると改善されました。
それでも、汗冷えで体全体が冷えていて着替えも持っていなかったので、予備で持ってきたアルミシートを重ねて敷くなど工夫しても改善されず、ただただ朝が来るのをじっと待ちました。ポットに入れたお湯を少しずつ飲み、バーナーでたくと暖かいみたいですが、自分は着火テストをして酸欠が怖くてすぐに消しました。結局、一晩のうち1時間寝たぐらいでした。
朝ご飯
6:30に起きて雪洞撤収の準備をしていると、避難小屋で宿泊していた会長がお湯を沸かしていただいておりすぐにカップラーメンを食べることができました。美味しかった😋
帰り
帰りこそショートスキーの出番と意気揚々とはめてみるも新雪では全く役立たず、バランスが悪く頭から突っ込むたびに杉ちゃんと森さんに笑われた。早々に投げ捨てたい気持ちを抑え、ショートスキーを外すことに。(途中で杉ちゃんに持ってもらいました)。杉ちゃんは優しく一緒に降りてくれました🎵
ぜんざい
帰りに地元の尾崎さんに振舞って頂いたぜんざいも塩味が効いて美味しかったー
加藤文三郎の墓
近くに加藤文三郎の墓があるとのこと、新温泉町役場の裏にある墓場に。風が強く寒く、見つけられなかったので早々に退散。
その後
帰ってご飯をろくに食べずにバタンキュー、そういえば昼ごはんも食べていなかった。日曜日は帰ってすぐに寝たつもりなのに起きたらもう会社に行かなくてはいけない時間。
月曜日は疲れが取れないままなんとかやり過ごした。
総括
雪洞泊は道具選択やレイヤーも含め、反省する点が多々あった。一方でシェラフ無しで一晩過ごせたことは大きな自信となった。快適に寝ることは叶わなかったけれど、マット問題は今後の課題としたい。 あと、カップラーメンは潰すとお湯が漏れる。
写真は雪洞の中の写真(頭上は雪洞が一部崩落している)