- 公開日時
- 2025/11/25 01:28
- カテゴリ
- 積雪期登山
早月尾根チャレンジ
- 場所
- 北アルプス 剱岳
- 日程
- 2025年11月23日 〜 2025年11月24日
- メンバー
- 武田、塚本、杉田
前からトライしていたいと思っていた早月尾根からの剱岳。 今回体調がイマイチな上トレーニング不足といった状態で参加は悩んだものの、杉田リーダーの励ましもあり、参加させていただく。メンバーは武田さん、スギちゃん、塚本。
体力に自信がなかったので、荷物は最小限に抑えた。軽すぎて忘れ物しているに違いないとテン場に着くまで不安だったほど。共同装備は武田さんとスギちゃんが持ってくれた。二人とも大きなザックで重そう。申し訳ないが、途中でへばるわけにもいかないので、このまま甘えさせていただく。
7時半馬場島の駐車場スタート。「試練と憧れ」の石碑を見て気合を入れる。早月小屋までスギちゃんがゆっくりしたペースを作ってくれる。おかげであまり体力を消耗せずに歩けた。早くもなく、遅すぎもしない、会話もできるくらいのペースで何とか早月小屋へ。早月小屋到着14時すぎ。
テントを立て、お湯を作ってご飯食べたり夕日見たりして、日が落ちるあたりに眠る。朝まで目が覚めず、今回も星見れず。
二日目、5時起き、6時半出発でアタックへ。ゆっくりと歩きだす。やはり高所がだめで、高度が上がるにつれ、すぐに息が切れる。疲れすぎないペースで歩こうと思うとめちゃゆっくりのペースになるのだけど、後ろの武田さんは急かすことなくほどよい距離をとって歩いてくれるので、そのままマイペースで歩かせてもらう。先頭を歩くスギちゃんも時々振り返りながらペースを合わせてくれる。遅くて申し訳ないと思いながらも、余裕がないと核心が越えられないと思い、自分のペースを保つ。ちょっとした岩場が出てくるが、普段ならなんてことないガバを使ったムーブも分厚い手袋をしていたら掴んでいる感覚がなくて、ちょっと怖い。今度からアイトレで分厚い手袋しようと思ったりする。
天気が良いので景色が素晴らしい。標高が上がるにつれ辛くなるのに、雪のふりかかった山々とか、白い雲が映える青空とか、くっきり浮かぶ富山湾の海岸線とかその先の水平線とか、何もかもが美しく、元気づけてくれる。いつまでもこうした世界に身を置ける人でありたいなぁと思う。
山頂直下の核心を抜け、あともう少しで山頂なのだけど、もう息が切れてクラクラしてスローモーションでしか歩けない。山頂手前の早月の標識があるところで先に行っていた武田さんが待っていてくれる。「ウイニングロードは塚本さんに」と粋な計らい。最後の力を振り絞り、山頂へ。
10時40分山頂。山頂のお堂はほぼ埋まっていて、少し何かが出ている程度だったけれど、そこが山頂だった。3人でハイタッチし、記念撮影。八ツ峰を見て、夏もここに来たなということを思い出し、季節の変わった風景に感慨を覚えながらしばらく山頂で過ごした後、下山。
上りはしんどいが、下りは怖い。崩れるまだ固まっていない雪にアイゼンを突き刺しながら降りる。一か所傾斜のきつい草付きの斜面を懸垂下降する。あとは滑りやすい下り坂を注意しながら降りる。
早月小屋到着14時。計画ではもう一泊する予定だったけれど、昨日よく寝たし、ということもありそのまま下山することにする。テントを片付け撤収15時、早月小屋より下る。最初アイゼンを脱いで歩いていたのだけれど、崩された踏み跡がやたら滑るので、何度も転ぶ。また転ばないように気を付けながら歩くとどうしても体力を使い疲れるし遅い。武田さんがやはりアイゼンを履きましょうと提案。すでにザックにしまい込んでいたけれど、再び取り出し装着。これが大正解でアイゼンを履くと滑らなくなって、するすると降りられる。また、標高が2000mを切ると途端元気になってきて、下りであることも加え、スピードアップする。武田さんもちょうどいいペースと言ってくれ、ほっとする。雪が減っても濡れた木の根や落ち葉も滑るので、結局は下山口までアイゼンを履いたままで歩き、良いアイトレとなった。
最後はヘッテンを灯して歩き、「試練と憧れ」の石碑の前で再び記念撮影。下山、18時半。試練の後で、少しは憧れに近づけただろうか?
今回の山行で最初から最後まで武田さんとスギちゃんに助けられました。本当に二人がいなければ登頂できなかったと思うので、感謝でいっぱいです。私にとっておそらく今年最後の山行、すごく楽しい最高の山行をありがとうございました。次はもっと戦力になれるようトレーニングを積もうと思います!