雪彦山クライミング、田路さんと大天井バットレスに行ってきました。
それはとても長い一日でした。
大天井でのクライミングは初めて。本来は三峰を登ってから取り付くそうですが、登山道右回りコースの途中から右手に赤いロープを目印に登山道を外れ幾分下り、直接アプローチしました。このアプローチ、ほとんど人が入ってないし急坂で、気をつけないとおっこちそうで怖いところです。もう一度行けと言われても絶対辿り着けない気がするので次行くとしたら三峰を回りたいところです。
このルートはほぼほぼ人工登攀で1ピッチ目も1ピンかけたところから、早速あぶみで登り始めます。あぶみはちょっと練習したこともあるけれど、それでずっと登っていくのは初めてだったので、無駄に力入って疲れ、レストしながら登ります。
あぶみで登ること前提とされているものだから、やたらとピンがあり、たくさんヌンチャク持って行ったつもりだったのに、あっという間になくなってしまいました。最後の一番上のピンまでヌンチャクをかけることができず、シュリンゲとカラビナで対応したくらいです。
上の草付きの手前のピンからフリーに戻るのですが、人口からフリーに切り替わる瞬間は怖いです。あぶみで疲れて握力がなくなっているし、なんだか急に無防備になった感じです。
草付きを超えると右のブッシュに入り大きな木で支点をとるよう言われましたが、イマイチどこから入ったらいいかわからず、オロオロとしました。
それでもなんとか右にトラバースし、ブッシュへ。ブッシュ入り口には大きな木がなく、細い若木が2本。
細い木で支点とったらだめですか?と叫んだら、あかん!の返答。
ほかに支点とるところが見つからず、ルートわからないままとりあえず上に登ろうとしてしまいました。下手なロープ取りでロープがメチャ重いので、田路さんにロープをたくさん出してもらい、引っ張りながら無理やりに上へ。すると案の定ロープに引っ張られフォール。まさに指が剥がさたという感じです。背中からブッシュの2本の若木に落ち、そこで止まるかと思いましたが、その若木をなぎ倒し、さらに5.6メートル落下。一瞬死んだかと思ったくらいその瞬間はスローでどこまでも落ちていく感じでした。が、ちゃんと止めてもらい、下まで下ろしてもらいました。擦り傷や打ち身などであちこち痛かったですが、大きな怪我はなく本当によかった。あんなところでレスキューがくるか、自信ありません。
回収があるので田路さんが終了点まで登りました。落ちたしケガも少々あるし、もう今日は終わりにしようかという話もありましたが、ゴールがどこだったかやはり知りたかったので、とりあえず二人で1ピッチ目だけ登って懸垂でおりることにしました。
田路さんが登りだすと、晴天が一転、雹が降り出し、登るといったことを少し後悔したりもしました。2回目の1ピッチ目あぶみはセカンドということもあり、慣れたこともあり、難なく登れたのでよいあぶみ練習になったな、と思いました。
そしてブッシュに入り、登らずブッシュをさらに奥に進むのね、と終了点確認しました。上でなぎ倒された若木を見ながら、これで支点とったらあかんやろ~という話に。いやいや、本当、そのとおり。それでもこの若木がクッションになって、少し助けてくれたのかも、と思います。若木に感謝。
そこから懸垂で降りるのに、田路さんも降りたことないけれど、三峰方面に降りようという話になり、壁向かって右の方面に私はロアダウン、田路さんは懸垂で降ります。ところが懸垂したロープが引っかかり降りてこない。やむをえず、田路さんが登り返し、ロープの方向を変えたものの、それでもどうやっても引っかかってしまいます。仕方ないので元のルートを降りようということになり、二人で終了点へ戻ります。オーバーハングのため、ここでもあぶみを使用。ロープにクレムハイストを二個巻きつけて両足あぶみで登ります。やむを得ず、あぶみ応用編を実践です。
元の終了点から今度はブッシュを突き進みながら懸垂するのですが、さっきみたいにロープをどこかにひっかけて引っ張れなかったらどうしようという不安から、なぜか私が最初に行くと言ってしまい、藪をかき分けながら降りました。ところが、元よりロープワークが下手くそなもので、途中でロープが絡まってビレー機のところでだんごになってしまい、足場のないところで宙吊り状態に。なんとか登り返そうとするも、足が全くなくて上に上がれず、しばらくジダバタ状態で、焦ります。田路さんのところからは遠く声が届きにくかったため、なかなか支持も仰げない。最終的には田路さんがクレムハイストで確保しながら少し下まで降りてきてくれ、あぶみ使うよう指示。あ!ここもあぶみか!とこれまたあぶみのご厄介に。あぶみって大事だなとしみじみ思ったのでした。あと、応用力が大事、ということを教わりました。
取り付きに無事戻ると、元来た道を慎重に引き返し、無事登山道に。もう日のあるうちに戻れないかもと思っていたので、安堵しました。
9時駐車場出発17時下山。1ピッチしか登ってないのに、十分すぎるほど遊べ、疲れました。生傷も増加。反省点は多々ありますが、それでも怪我せず死なず、貴重な経験ができ、なかなかラッキーだったかな、と自分的には思っています。
そんな不運と不出来にお付き合いいただいた田路さん、あとなかなか降りてこないパーティを寒い中ずーっと見守ってくださった戸田さんに感謝です。
ありがとうございました。これからも精進します。