7月22日~24日、心配していた天気も好転し、青空と絶景の山々をバックに奥穂南稜、前穂北尾根に挑み、穂高を満喫してきました。
僕にとっては夏のバリエーションルートは、2018年の八ツ峰に続き2回目。
そして今回ベテランの方の参加なく、武田リーダー、塚本さん、山口の3人で、またテント泊装備を担いで2つのバリエーションルートを踏破した事は、いい経験になりました。
まあ、私は武田リーダーに頼りっぱなしでしたが。
1日目
沢渡からタクシーで上高地に入り、8:20上高地を出発、岳沢に向かう。上高地まできても暑い。
これから3日間着た切りのウェアを汗だくにしながら、11:00岳沢到着。
早速テントを張り、乾杯の前に明日の南稜の取り付きの下見。
雪渓の雪は多め。雪渓から岩へ安全に移れる地点にマーキング。
トリコニー I II III 峰がはっきりと見えてテンション上がる。
岳沢小屋に戻り乾杯。岳沢のキャンプ場は広くはないが、満杯状態。
5時ぐらいから夕立があったが、翌朝には岩は乾いていました。
2日目
4:50岳沢を出発。
まだ日は届かないが、晴天。
雪渓の雪が固くなっていて歩きにくいが、アイゼン無しで取り付きへ。
岩場は浮石だらけで、非常に危険。落石に注意しながら進む。しばらく岩場を進み、三股で踏み跡のしっかりした右ルートを進むとハイマツ帯。
ハイマツに苦労し、また助けられながら進むと岩稜帯が多くなり絶景が広がる。コバイケイソウやシナノキンバイのお花畑。
トリコニーI峰のチムニーは難しそうに見えるが、中に入ると螺旋階段のように上に抜けられる。
その後は、ナイフリッジ、II峰、III峰を至福のルンルン気分で、それと気づかずに通り過ぎ、いつの間にか南稜の頭目前。
ここまでロープ使用しておらず。最後にせっかくなのでロープを出してIII峰から懸垂下降、南稜の頭まで絶景の中を歩く。
ライチョウもお出迎え。
10:30 予定より1.5時間早く南稜の頭に到着。
記念撮影などしていると、11:00には登ってきたルートがガスで覆われる。
11:10 奥穂山頂出発。途中、気持ちの良い穂高岳山荘のテラスで40分休憩をはさみ、ザイテングラードを下る。
明日に挑む北尾根と、取り付きの5,6のコルがはっきりと見えて、またテンション上がる。
13:40涸沢のテント場に到着。ここもテン場は満員御礼。
下りで取り付きははっきりと確認できたので、下見は不要と判断。そして乾杯。
しかし3時半ぐらいから雨。涸沢ヒュッテ売店の前で雨宿りしながら立ち飲み、夕食。
雨は結構降ったが、翌日の岩は乾いていました。
3日目
3時起床のつもりが3人とも寝過ごし、3時半起床。疲れているのか?4:55出発。
涸沢カールと5,6のコルへの谷には大きく雪渓が残っているが、雪渓のきわにはっきりとした踏み跡があり、雪渓を歩かずに、6:00、順調に5,6のコルに到着。
コルで先行バーティ―の2人に追いつく。この2人、なんと昨日の雨宿りですぐ横にいた人でした。先を譲っていただき、登攀開始。5峰、4峰はザイル無しで登攀。
4峰の登攀中に、僕の立ち込んだ、ペール缶大の大きな岩が崩落。
自分が滑落しそうになった事と、後続バーティが心配な事で、膝の震えが止まらない。幸い、後続の2人は十分に間隔を開けて別ルートを登っていたので、問題なかった。
気をつけねば。3峰は武田さんがクライミングシューズに履き替えてリード。塚本さんがアッセンダーで登り、僕がセカンド。
ロープがあると安心感が全然違う。3峰、2峰はルートファインディングが難しい。
武田さんについていったが、自分では無理だろうと思った。最後、2峰から懸垂下降して、10:20前穂到着。この上ない充実感。
時間も天気も昨日と同様で、到着直後からガスがかかり始める。しばし余韻を楽しんで、11:30下山開始。下山は自由行動とし、僕は14:00上高地着。
帰路、お風呂で3日分の垢を落としてから、今回仕事のために不参加となってしまった井口さんのいる富山へ向かい宴会して帰途につきました。